ナイキにアディダス

報道によると、米カリフォルニア州の非営利団体「環境保健センター(CEH)」が昨年10月から6カ月間、スポーツウエアに含まれているビスフェノールA(BPA)を分析した結果、「ナイキ」「アディダス」「パタゴニア」「チャンピオン」「アスレタ」など8つのブランドの製品から安全限度の最大40倍に達するBPAが検出されたとのことだ。レギンス、ショートパンツ、スポーツブラ、スポーツシャツなどからカリフォルニア州の基準値である3マイクログラム(μg)より多い量のBPAが検出されたものだ。

ナイキはどこの国の会社なのか、設立の経緯や、注力する新しいビジネスモデル「D to C(D2C)」についてはこちらの記事で詳しく解説しています。
→ナイキはどこの国のメーカー?ナイキの歴史を紐解く!

「ナイキ」「アディダス」「パタゴニア」「チャンピオン」などの有名スポーツブランドが作った下着や衣類から環境ホルモンが過剰検出されたと米CNNが17日(現地時間)、報道した。

アディダスの売上の約3分の1は、「EMEA」と呼ばれるヨーロッパ・中東・アフリカ地域がけん引しています。また1位のナイキと同じようにフットウェアの割合が大きく、売上全体の半分以上を占めています。

ナイキとアディダスがスニーカー革命で示しているファッション産業の未来は、一部のラグジュアリーやファストファッション企業が掲げ、混乱と矛盾を引き起こしているサステイナブル活動とは完全に一線を画している。実際にナイキは2010年代のはじめからサステイナブルを経営課題に掲げてきたし、ナイキがフライニットで実現したサプライチェーン改革を、アディダスが「ループ」でさらに発展させた完全循環型サイクルという考え方は、工業化した産業構造と矛盾せず、インターネットが実現しつつある“シェア(共有)”とも響き合う。年商4兆円のナイキと2.7兆円のアディダスというスポーツ界の2大ブランドが競うあう中で見せた“完全循環型”という未来は、20年以降最も重要なファッション産業のキーワードになることは間違いない。

関係者をさらに驚かせたのが、4月に発表した“フューチャークラフト.ループ(FUTURECRAFT.LOOP)”だ。“ループ”はこれまでソールに使用していた熱可塑性(熱で形状を変えられること)TPUをアッパーも含めた全部材に使用。単一素材で製造することで、完全循環型というコンセプトを実現した。“ループ”をナイキの足元の米国NYで発表したところに、アディダスの並々ならぬ意欲と自信がうかがえた。アディダスとナイキ、スニーカーを巡るこの2大メガスポーツブランドの熾烈な戦いがイノベーションを引き起こし、市場を活性化し、新しい産業構造へのシフトを後押ししている。

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