メッシのための大会

5度目の挑戦でFIFAワールドカップを制し、カタール大会の主役となったアルゼンチン代表FWリオネル・メッシ。メッシのための大会だったと言ってもいいワールドカップで、メッシが代表でも頂点に立つところを見たいと願っていたサッカーファンも多いだろう。メッシは大会MVPにも選ばれており、主役だったのは間違いない。しかし、長らくメッシとともに代表を支えてきた34歳のMFアンヘル・ディ・マリアのことも忘れてはならない。今大会は怪我の影響もあってスタメンから外れることもあったディ・マリアだが、代表監督リオネル・スカローニは決勝のフランス戦でディ・マリアを先発に抜擢。左サイドに入ったディ・マリアは対峙したフランス代表DFジュール・クンデを面白いように振り回し、前半には先制点へ繋がるPKゲットと2点目となるゴールをカウンターから自ら決めた。ここぞの場面で魅せる勝負強さはさすがだ。メッシはこれまでの代表キャリアにて、2008年の北京五輪、昨夏のコパ・アメリカ、そして今回のFIFAワールドカップのタイトルを獲得しているが、ディ・マリアはこの3大会の決勝戦すべてでゴールを決めている。北京五輪では決勝のナイジェリア戦で決勝ゴール(1-0)、昨夏のコパ・アメリカ決勝のブラジル戦でもゴール(1-0)、そして今回のフランス戦だ。今のアルゼンチンがメッシ中心のチームなのは確かだが、ディ・マリアのチームでもあったのだ。ディ・マリアも年齢的には大ベテランとなっているため、FIFAワールドカップはこれがラストチャンスだったとも言える。そこで決定的な働きを見せてくるのは見事で、常にメッシをサポートしてきたディ・マリアもアルゼンチンの成功に欠かせない存在だった。

昨年のカタール大会は、メッシのための大会、そして36年前のメキシコ大会はマラドーナのための大会と言われ、二人はサッカー界の史上最高のGOAT(Greatest Of All Timeの略)と呼ばれています。

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