メッシ アディダス 契約

専門家らによれば、年齢差を感じさせずに5人の異なるメッシ氏を違和感なく見せるテクニックは、AI技術の賜物だという。また、場面と場面の滑らかな繋ぎにはおそらく、いわゆるボディダブル(出演者の替え玉となって演技する俳優)も使われている。

視聴者が目にするのは、その時々の髪型で、アディダスのユニフォームおよびシューズ姿の自分と相対するメッシーー短尺で、18年間と5つのワールドカップを一気に網羅するストーリーだ。

メッシは2017年にアディダスと“生涯契約”を締結し、年間1800万ポンド(約24億円)を受け取っているという。メッシのシグネチャーロゴが施されたスパイクがすでに発売されているが、引退後には、ナイキの「エアジョーダン」のような個人名を冠したモデルが発表されるかもしれない。

「美しき記憶の数々。我らファミリーがするのは、不可能を現実にすること」との投稿が、アディダスのソーシャルメディアのページに登場。その後、それと同じ投稿をリオネル・メッシ氏自身が、3億8800万人のインスタグラムフォロワーに向けて発信した。

長年、メッシ氏はアディダスにとって、触れる物すべてを黄金に変えるギリシャ神話の王ミダス的存在となっている。2017年2月に生涯契約を締結して以来、同社はメッシ氏をイメージした特別モデルのシューズをいくつか発売しており、いずれも世界中で人気を博している。

当時のアンケート調査では実際、メッシ氏といえば、アディダスよりもナイキのイメージが強い、との回答が70%に上っている。

いずれにせよ、何年も前にメッシ氏とスポンサー契約を交わした企業が、アルゼンチン代表の優勝によって最大のうまみを味わうのは間違いない。

動画にはまず、当時のアルゼンチン代表監督ホセ・ペッカーマン氏からドイツ大会に召集される前、まだ18歳のメッシ氏が登場する。青年は、2010南アフリカ大会に出場した22歳のメッシ氏にパスをする。続いて2014年、大会随一の名選手であることを証明して見せたブラジル大会でのメッシ氏が現れ、2018ロシア大会の自分にパスをする。

アディダスが制作した件の動画は、CGIを駆使し、5人のメッシ氏がピッチ上でパスを出し合い、助言を与え合う姿を映し出す。

ちなみに、最近のいわゆる「メッシバース」の覇者は、アディダス以外にもいる。ペプシ(Pepsi)、レイズ(Lays)、ゲータレード(Gatorade)も、かのアルゼンチン代表主将の広告パートナーリストに名を連ねている。

アディダスはそこで、複数のソーシャルチャネルにおいて、短いが内容の非常に濃いCMを配信した。それは、過去4回のワールドカップでプレーした当時の自分と相対するメッシ氏を主役に配したものであり、そこにはもちろん、伝説的英雄ディエゴ・マラドーナ氏と比較されつつも、ぼさぼさの髪で胸に一杯の夢を抱え、2006年のワールドカップドイツ大会に初出場した初々しい姿もあった。

すべては一瞬の出来事であり、その後ろにオーパスによるテーマ曲「ライヴ・イズ・ライフ」が流れる。最後に、ワールドカップを高々と掲げる飽くなき夢を抱き続ける男、2022カタール大会のリオネル・メッシ氏が現れ、過去4人の自分との練習に合流する。

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