メッシは人間を超えている」

決勝ではメッシはもちろん、今大会の決勝トーナメント初の先発出場となったディマリアの活躍が素晴らしかったことについても触れなくてはいけない。彼は左サイドで大きな違いを生み出した。フランスの守備陣を引き付け、左利きの強みを活かして一対一の状況を作った。

「クリスティアーノ・ロナウドは全く異なるタイプの選手だよ。彼は背が高くて強く、力にあふれている。彼はあらゆることをやれる選手で、PKもFKもヘディングもうまい。ただ、ロナウドは人間の中で最高の存在だ。メッシは人間を超えている」

ロナウドが最高のゴールスコアラーだと言う人も多いが、彼はメッシより2~3年長くプレーしている。得点率と得点関与数では、メッシがロナウドより上だ。私はこれがメッシの方が全体的に優れた選手だと証明していると思う。品もあるし、自己中心的でもない。キャリアを通して、正しい判断をし、正しいパスを供給し続けてきた。

メッシはトップスピードに乗ったときでさえも正確な動きをして、トップスピードでは頻繁に起こる激突がほとんどない。一気に走り出し、加速し、ドリブルをして、ターンして方向転換し、一瞬にしてアシストまたはゴールにつなげることができる。

ペレ、マラドーナ、ディ・ステファノにそなわっていた天性が彼にもそなわっている。脳が、彼の足に対して、次にどう動くべきか素早く指令を出しているわけだ。アイディアがメッシに伝わると、一瞬にしてそれが実現しているということさ」

PSGでまだゴールがないリオネル・メッシ。出場3試合目となったリーグアン第6節リヨン戦では...

エムバペは少年時代から熱狂的な「ロナウド・マニア」として知られている。つまりここでメッシに優勝されることは、メッシの競技人生がコンプリートされることを意味し、自分が信じるロナウドが史上最高の選手でなくなることにつながる。

リオネル・メッシがこんな物言いをしたことはまったくない。なぜなら、彼は常に足に物を言わせてきたからだ。バルセロナのレジェンドはC・ロナウドより2回多くバロンドールを獲得している上に、カタールでアルゼンチンをワールドカップ制覇に導いたことで、2023年のセレモニーでは記録を更新する8度目の受賞が確実視されている。

オランダのニーメガンにあるラドボウド大学のオランダ人医学者、ピーター・メデンドープはメッシの思考回路、決断に至るまでの過程を知ろうと彼の脳を分析した。「メッシは何分の1秒かの間に、走るのか、ジャンプするのか、シュートするのかを決断するわけだが、我々はそのとき彼の脳の中で何が起きているかを知ろうとした」とメデンドープは語る。

ロナウドとメッシは本当に長い間サッカー界を支配したが、この数年でそれに匹敵するタレントがようやく生まれてきた。

そして今、再びメッシが舞台のセンターに立った。この小柄なフォワードは、パリ・サンジェルマンでの2年にわたる残念なシーズンに幕を下ろした後、MLSでの新しい挑戦のためにインテル・マイアミに移籍することを決めたのである。

バルセロナのレギュラーに定着してから、メッシは毎シーズン、どの大会でも欠かせない中心選手となった。ビッグマッチに出場しては得点やアシストを記録した。彼は素晴らしい活躍でチームに貢献してきた。

史上最高の選手メッシが最後のW杯で唯一手にしていないタイトルをつかむと願うファンが多い中、エムバペは「史上最高の選手はクリスティアノ・ロナウドだ」と断固とした姿勢で臨むという。そう証言するのは、パル・サンジェルマンからライプチヒにレンタル移籍中のDFアブドゥ・ディアロだ。

今夏のマーケットではクリスティアーノ・ロナウドとリオネル・メッシの両名が移籍を行い、クラブを変えた。

同じワールドカップで、C・ロナウドとポルトガルは嘆かわしいほど早々に敗退した。そのせいでサウジアラビアへの巨額の移籍を完結させる気になった可能性が高い。歴代最高額でのアル・ナスルとの契約締結は、メッシからスポットライトを奪い返す唯一の方法だったのだ。

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