メッシは過去のW杯で苦しむことが多かった

デ・パウルとレアンドロ・パレデス、そして負傷により今大会に参加できなかったジオバニ・ロ・チェルソは、メッシの部屋で一緒にマテ茶を啜るほどの仲になった。メッシがそこまで心を開くのは、珍しいことだ。

『Planet Football』は、「2006年から生まれてきた『新しいメッシ』候補は今...

昨年末のワールドカップで悲願の初優勝を成し遂げたアルゼンチン代表リオネル・メッシ。

メッシは過去のW杯で苦しむことが多かった。若い頃はフアン・パブロ・ソリンやフアン・セバスティアン・ベロンといった重鎮の存在が大きく、内気なメッシの意見はほとんど聞き入れられなかった。

背番号7を背負ったハードワーカー、ロドリゴ・デ・パウルは初対面の時から得意の冗談を用いて、人見知りなメッシに近づき、今ではチームでもっとも親しい友人のひとりになった。

先手を取ったのはアルゼンチンだった。PKでメッシが早速先制点を挙げると、MFアンヘル・ディ・マリアのゴールで前半のうちに2点のリードに広げる。フランスは後半にFWキリアン・ムバッペがPKとボレーシュートを沈め、2-2のまま延長戦へ。メッシとムバッペが互いに1点を追加し、3-3の激闘の末、PK戦にまでもつれこんだ。最終的にPKスコア4-2でアルゼンチンが優勝を決め、メッシは念願のW杯トロフィーを手にしている。

優勝を逃した試合後メッシは「もう終わりだ。自分にとって代表は終わったものだ。代表で4回決勝を戦ったけど優勝できなかったし、自分に縁はなかったんだ」と代表引退宣言をしたことは世界で大きなニュースになった。

そこでゴディンはウルグアイ代表FWルイス・スアレスから連絡先を聞き、メッシに「代表を引退しないで欲しい」とお願いをするメッセージを送ったこと語り「自分の個人的な利益を考えれば、メッシが代表引退してくれた方がありがたかった。けど、それはサッカーにとっての損失だと思ったんだ」と、メッシに翻意を促したことを告白した。

そのうえでスカローニ監督は「彼と彼のチームメイトを指導できたことは、とても光栄だ。チームメイトにこれほど影響力のある人物はいない」と偉業を達成したメッシへの賛辞も送っていた。

2016年にアメリカで開催されたコパ・アメリカ・センテナリオ決勝でアルゼンチン代表はチリ代表と対戦。試合はPK戦にもつれ込み、メッシは1人目のキッカーを託されたがゴールを決めることができず、4人目のキッカーもPKを失敗したアルゼンチン代表はチリ代表に敗れた。

大会前、最後のW杯と公言していたメッシ。試合後のインタビューでは「代表を引退するわけではない」と即時の“代表引退”を否定したようだ。スペインの地元メディア「エル・デスマルケ」によれば、「世界チャンピオンのタイトルの名誉を守るため、アルゼンチンのためにプレーし続けたい」と思いを吐露したという。

アルゼンチン代表のツイッターによると、メッシは「つらい。いまは、分析をするべき時ではない」「控室で、私にとっての代表は終わったと思った。私は代表チームにいるべきではない」と話したという。

おそらくそれは、若い世代も真剣に成功したいと望んでいることを知ったからでもあるだろう。アルゼンチンがW杯を最後に制したのは1986年(1978年大会に続く2度目)。メッシが代表から退くまでにその回数を3にしなければ、次はいつになるかわからない。

[イーストラザフォード(米ニュージャージー州) 26日 ロイター] - サッカーのアルゼンチン代表FWリオネル・メッシは26日、代表からの引退を表明した。同国代表はこの日、コパ・アメリカ・センテナリオ(南米選手権の100周年記念大会)決勝で、前回王者チリにPK戦の末敗れ、メッシ自身も外した。

だが酸いも甘いも噛み分けた今のメッシは、内奥に熱を宿しながらも、自然と力を抜くこともできる。それに今のアルビセレステ(アルゼンチン代表の愛称。白と水色の意)では、彼のことを慕う年下のタレントたちに囲まれ、家族のような雰囲気を楽しめているのだ。

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