メッシはPK戦には出なかった

79分にはメッシがドリブルで神戸のペナルティーエリア内に侵入したが、至近距離から放ったシュートはGK新井章太(Shota Arai)に阻まれた。

「問い合わせ」とあるが、要は「アルゼンチン代表の試合をするな」「メッシを北京に入れるな」という圧力ではないだろうか。当然ながら「バカにされた」「コケにされた」というメンツの問題がある。日本での親善試合でメッシがゲームに出なかったら、ここまでの騒ぎになるだろうか。

ところで、このメッシ騒動には、イングランドの名選手だったデビッド・ベッカム氏も巻き込まれた。中国の旧正月に合わせて中国版SNS、微博(ウェイボー)に自身の動画とともに、中国語で「明けましておめでとうございます」と中国のサッカーファンに向けてメッセージを投稿したところ、中国の一部ファンからは「俺たちをなめるな」など厳しい反応も寄せられた。

しかし、この2つの親善試合が中止されることが決定。ことの発端はインテル・マイアミの香港遠征。4日の一戦には4万人のファンが訪れたが、メッシは鼠径部の負傷からウォーミングアップもせずに欠場していた。するとスタンドからは大ブーイングが発生し、ファンのみならず香港政府までも声明で不満を発表。そして7日に日本で開催されたヴィッセル神戸戦でメッシが後半からピッチに立ったことで、さらなる騒動に発展している。

そして「メッシのチームは、香港でこんな扱いをしたのだから、ましてや本土でメッシも名前を連ねるアルゼンチン代表の試合を許していいのか」という思いがふくらんだ。SNSにはメッシに対し「二度と中国に来るな」といった批判が多数投稿されている。

なおメッシの欠場を受け、香港での試合の主催者である『Tatler Asia』は50%のチケット代金の返金に応じたことが伝えられている。

【欧州・海外サッカーニュース】インテル・マイアミ(メジャーリーグ・サッカー)のリオネル・メッシは負傷により香港での試合でプレーしなかった。

メッシは60分から途中出場し、最後の30分間をプレー。観客数は2万8614人と心配になる少なさだったが、スーパースターの登場にスタンドからは「メッシ」コールが起こり、その後もメッシがボールを持つたびに大歓声が上がった。

実はベッカム氏、現在メッシが所属するインテル・マイアミの共同オーナーを務めている。中国のファンの機嫌を直そうとしたのか、真意は不明だ。

中国のサッカーファンは自分の国の代表にフラストレーションを溜めている。ネット上でも、厳しい言葉が並ぶ。そんな感情が渦巻くなか、香港で試合に出なかったメッシ率いるアルゼンチン代表が中国国内で、アフリカのチームと対戦すれば、イライラが爆発する事態もあり得る。試合会場で何が起きるか分からない。安全面、社会の安定を損なうから、中止を決めたという側面もあるだろう。

試合は0-0の同点でPK戦に突入し、神戸が4-3で勝利した。メッシはPK戦には出なかった。

コートジボワール戦の開催地になっていた北京のサッカー協会は、「リオネル・メッシが出場する試合を開催する予定はない」と発表。さらに杭州も「誰もが知っている理由により、イベントを開催するための条件が満たされなかった」とし、アルゼンチンの親善試合を中止することを発表した。アルゼンチンの中国遠征2試合はキャンセルされている。

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